ABOUTABOUT

女子戦とは

女子戦とは?

歴史

『公営競技は男のもの』。
確かにそういう時代がありました。でも現在は違います。その表れは、今の女性競技者数…。例えば中央競馬は138名のジョッキーの中に紅一点。割合にすれば0.7%程ながら実際に活躍しています。そのほか競輪は2.8%、オートレースは4.0%です。競技文化みたいなものがありそうです。
では、ボートレースはどうでしょうか。全1598名中、なんと218名が女性なのです。割合にすると13.6%。圧倒的な女性活躍社会ですね。
さらに、驚くべきことは開催当初から女子選手がいたという歴史。
昭和27年1952年4月大村で幕をあけたボートレースですが、女子選手の草分けは翌年の5月1日登録の則次千恵子さん(選手登録番号78)。随分早い気がします。
そして、その次の年の『第1回全日本選手権競走』には、則次千恵子さんをはじめ3人の女性レーサーが男子に混ざって日本一を決める大会に出場しているのです。まだまだ『男尊女卑』の風潮があった時代を想うとびっくりしますね。
因みに、女子選手の記念優勝第一号は1955年昭和30年の下関の第1回周年記念で勝った戸板君子さんという記録が残っています。
つまり、女子の活躍はボートレースの歴史と切っても切れない関係にあるのですが、これは初の女子戦が1954年昭和29年に開催されていることからも分かりますよね。

以降、一時やや下火になった時期も正直ありました。4年半もの間、女子選手の養成がなかったのです。『ボートレース=男性レーサー』になりかけていたと言ってもいいでしょう。実は、1948年発祥の競輪も当初女子選手がいたのですが、1964年に女子選手の登録がなくなったという経緯があります。
しかし、ボートレース界は違いました。先見性とでもいいましょうか…、1974年昭和49年に鈴木弓子さん(旧姓・田中弓子さん)が女子としては9年ぶりに研修所に入所、一躍注目されることになるのです。
弓子さんは、その期待を一身に背負い努力を重ねます。ご本人に聞くと、「男子に負けたくない。負けてはならないと考えていました。だから5㎝でも前に出ることができるならと、最善を尽くしました…」と語っています。

そして、その成果でしょう。1987年昭和62年に浜名湖で開催された第1回女子王座決定戦、今のレディースチャンピオンで優勝するなど女子選手活躍の道筋を拓いてくれました。男子顔負けだったことは言うまでもありません。
因みに、1980年昭和55年以降、女子選手の養成が本格化しています。弓子さんは現在の女子戦全盛の礎を築いてくれた女性なのです。

構成

Qボートレーサーってクラス分けされているの?
Aボートレーサーは、過去の成績によってクラス分けされることになっています。
ただ、男性選手とバランスがまったく違うのです!
Qどんなバランスですか?
Aボートレース界全体で、およそ1600名(うち女性は約220名)の選手がいます。
それが、次のような割合でクラス分けされています。
全体 女子
A1 20% 10%
A2 20% 18%
B1 50% 60%
B2 10% 12%
つまり1割のトップ選手が抜きん出ていて、これをだんご状態で追うという構造。
舟券推理にも影響してきますよね。

規定・出場資格

Q全国で何回くらいレースがあるの?その内、女子レースは?
A全国にはボートレース場が24箇所あります。
開催日数は各レース場平均で190日、最も多いところで200日を超えるのです。
因みに2019年は全体で4552日開催され、単純計算でレース数は54,600あまり。
このうち大会全体が女子のみだったものが218日ありましたが、2020年になると増大。大会日数は290日を超え、レース数は3,480にも昇りました。
まさに、女子レースの人気を裏付ける数字ですね。そしてその主軸となるのが『GⅢオールレディース』と『ヴィーナスシリーズ』の二つです!

以下、各シリーズの出場条件などをまとめてみました。

プレミアムGⅠレディースチャンピオン

女子レーサーの頂点を決するプレミアムG1競走。GⅢオールレディースの優勝者や勝率上位者が集結します。

GⅡレディースチャレンジカップ

賞金上位20名の女子がSGグランプリやプレミアムGⅠクイーンズクライマックスへの出場をかけてバトルする大会です。

プレミアムGⅠクイーンズクライマックス

大晦日に開催される女子だけのプレミアムG1競走。獲得賞金上位12名が女子賞金王を競います。

GⅢクイーンズクライマックスシリーズ

獲得賞金13位~54位の42名が出場権を与えられる女子の祭典です。

GⅡレディースオールスター

ファン投票によって選ばれた人気女子レーサーが対象となる大会です。

GⅢオールレディース

すべての女子選手が対象となる大会です。

ヴィーナスシリーズ

かつては登録16年未満の女子レーサーの競走でしたが、昨年から+オーバーエイジ枠が設けられています。

女子レーサーの人気

女子レースの人気の秘密について、ファンの皆さんに取材してみました。女子レースの人気の秘密について、ファンの皆さんに取材してみました。

ボートレース界は女子流行り。人気は高まる一方です。
『これは一時的なもの。長続きしない』と、かつて揶揄されたこともあったんです。『馬鹿にするな!』と言いたいところですよね。この人気は本物です。だってね、この流れは10年以上続いているのですから。ファンの皆さんが作ってくれた傾向をありがたいと思います。ではでは、安定化した要因は何でしょうか。

実際レース場でファンの皆さんに取材すると、のような声を聞くことができます。
「強いこと」「巧いこと」はとても大切ですが、ただそれだけが『プロの要件』でないことをファンの皆さんが教えてくれています。
だからこそ、『ファンの皆さんが選ぶ女子レーサーの大会』の意義は大きいと思います。
1 選手の人数が218名(2020年3月31日現在)と限られていて、覚えやすい
2 レースの攻め方がハッキリしていて予想しやすい
3 戦法などのパターンが明確でレース展開が読みやすい
4 本命筋が分かりやすいだけでなく、高配当が出るパターンも推理しやすい
5 急成長など、選手の変化を読み取れれば高配当ゲットにつながる
6 「可憐さ」「かわいらしさ」「美しさ」「優しさ」「凛とした姿」に魅力を感じる
7 レース場に入る時や選手紹介時のファン対応が親切丁寧で心情的にも応援したくなる

女子レーサーならではの葛藤

女子レースならではの葛藤について、ファンの皆さんに取材してみました。女子レースならではの葛藤について、ファンの皆さんに取材してみました。

男子52キロ、女子47キロ。ボートレーサーには最低体重規定があります。
計量によって、この値より軽ければ、500グラム単位で重量調整を行なわなければならないんです。というのも、体重制限のなかった時代、極限まで減量してしまい身体を壊す選手がいたことが起因しているそう。いくら戦いでも人間として認められる限度があります。

そこで、ちょっと調べてみました。
20代前半の平均体重についての調査(文部科学省)では、男子が65.6キロ、女子が50.4キロ。体重が重いか軽いかは、水上を滑走するレーサーにとって勝敗を分ける大きな要因。カロリー計算は欠かせないわけです。つまりガマンです。食べたい人・食べられる人にはかなりきついですね。
一方、食べても食べても太らない選手もいます。特に女子。事実、43キロ代の女子レーサーは10名近くにのぼりますが、4キロ近いウエートを積んでレースするのは大きなハンデ。食べることが仕事の一環になるんです。これもこれできついそう。その場合、選手宿舎で夜食をとるのだそうです。食べてはならない人と食べなくてはならない人が、ともに自己コントロールし合っている…。それがレース場です。

そして、美容も気になるとか。
競技者といえども女性らしくありたいと願うのは当然です。それにファンのハートをひきつけることもプロの仕事です。
油に触れる、繰り返し石鹸で手を洗う、汗をかく、陽に焼ける、ピッタリフィットしたヘルメットをかぶるなど、ああ、美容の敵がいっぱい。そういうこととも戦っているのだそう。美しさや可憐さと強さ、両立を望むファンに応える努力ですね。

女子戦の楽しみ方

人それぞれの魅力

しばしば、「女子レースは買いやすい」「応援のし甲斐がある」と言われますが、理由は大きく二つありそうです。

女子選手が218名で、選手それぞれの特徴を覚えやすい。

ボートレースは、『人』がモーターボートに乗って走ります。その『人』が、最近どんなリズムなのか知っていれば、期待値は上がりますよね。あるいは、登り調子の選手や応援したい選手を追うのもいいでしょう。楽しみが増します。

強さや個性、レースぶりがハッキリしており、レース展開が分かりやすい。

選手の力量とともに、レースぶりがハッキリしているのが女子のレース。6割ほどの数字となっているイン勝率は、女子では5%ほど低くなる傾向があります。その理由としてはスタート力にばらつきがあり、インの選手が出遅れるシーンが散見されるからです。その分まくりが多いのが特徴で、イン絶対ではないことと、まくり選手が展開をつくることを忘れてはなりません。波乱要素はこんなところにあり、予想を面白くしてくれます。

また、女子の構成比率は全体で13.6%ですが、ここ最近5期のデビュー選手でみると、18.0%が女子と割合が非常に高くなっています。
つまり、頭角を現してくる選手をひと足先に見出し、応援し、舟券でも結果を出すという大きな楽しみがあるのが女子。「かわいいから応援したい」でもいいんです。そこに動機があれば、どんな楽しみ方も正解だと思いますよ。